
工事写真は、撮るのは一瞬でも、整理には時間がかかります。工種ごとに分けて、黒板を確かめて、写真管理ソフトに取り込んで、台帳にする。現場の後に、この作業に追われている監督も多いと思います。
写真の整理は、外部に任せやすい仕事のひとつです。ただし、頼む前に決めておかないと、やり直しが増えることもあります。この記事では、外注する前に決めておきたいことをまとめます。
先にお伝えすると、「適用される写真管理基準」「分類の仕方」「使うソフトとデータの形」「受け渡し方法」「分からない写真の扱い」「元データの保管」の6つを最初に決めておくと、やり直しが少なく、早く仕上がります。
工事写真は、基準にもとづいて撮影・整理するもの
国の土木工事共通仕様書(令和7年3月)では、工事写真を、着手前・完成のほか、施工段階や完成後に見えなくなる箇所の施工状況、出来形寸法、品質管理状況などを、写真管理基準にもとづいて撮影したものとしています。写真管理基準によって写真管理を行い、記録を作成・保管して、完成時に監督職員へ提出することも定められています。
つまり写真の整理は、ただ並べる作業ではなく、基準の撮影項目と照らし合わせる作業です。ここを分かっている人に頼むと、撮り漏れにも早く気づけます。
1. どの写真管理基準が適用されるか
写真管理基準は、国のほか、都道府県などの発注者ごとに定められています。撮影項目や撮影頻度、提出頻度は発注者によって違うことがあるので、適用される基準と版を外注先に伝えてください。特記仕様書で追加の指定がある場合は、それもあわせて伝えます。
2. どのように分類するか
工種・種別・細別の分け方や、撮影箇所(測点など)の付け方を決めておきます。設計書の工種の並びに合わせるのか、会社でいつも使っている分け方があるのかを、最初に共有しておくと、仕上がりがそろいます。
3. 使うソフトとデータの形
写真管理ソフトは、会社によって使っているものが違います。外注先が同じソフトを使えるのか、どの形式のデータで受け渡すのかを確かめてください。電子納品まで見すえる場合は、国の電子納品の基準に沿った形で整理できるかも確かめておくと安心です。
4. 写真の受け渡し方法
工事写真は枚数が多く、データの量も大きくなります。クラウドストレージで共有するのか、写真管理ソフトのクラウド機能を使うのかなど、受け渡しの方法を決めておきます。
国の電子納品等運用ガイドライン(令和8年2月)では、写真をパソコンに取り込む方法によっては、写真ファイルの更新日時が変わったり、撮影情報(Exif情報)が欠けたりする場合があるので注意するよう示されています。撮影したままのデータを、そのまま渡すようにしてください。
5. 分からない写真の扱い
黒板が写っていない写真や、どこを撮ったのか分からない写真は、整理の途中でよく出てきます。外注先が推測で分類してしまうと、検査のときに説明できない写真が混ざるおそれがあります。
- 分からない写真は、別のフォルダに分けておく
- 一覧にして、まとめて会社に確認する
- 確認できるまで、台帳には入れない
このようなルールを最初に決めておくと安心です。なお、国のデジタル写真管理情報基準(令和5年3月)では、写真の信憑性を考慮して写真の編集は認めないとされています。写真の加工はしないことを、外注先と確認しておいてください。
6. 元データの保管
撮影したままの元データは、会社で保管しておきます。整理の作業で写真を消すことはしない、という決まりも、外注先と共有しておくと安心です。
まとめ
- 工事写真の整理は、写真管理基準の撮影項目と照らし合わせる作業
- 適用される基準、分類の仕方、ソフトとデータの形を最初に決める
- 撮影したままのデータを渡し、受け渡し方法を決めておく
- 分からない写真は推測で分類せず、まとめて会社に確認する
- 写真の加工はしない。元データは会社で保管する
電子納品まであわせて頼む場合は「電子納品だけを外注するときの注意点」もご覧ください。
参考にした資料
※法令・基準・資料の内容は、記事公開時点で各公式サイトに掲載されているものを確認しています。改定されることがありますので、最新の内容は各公式サイトでご確認ください。